紙の原料の変遷≪非木材≫
"パルプ"というのは、紙を作る際に用いられる繊維で現代では約99%が木材から抽出されていると言われていますが、木材パルプが製紙用に使われ始めたのは1800年代前半で、それまでは竹や麻、綿、稲わら、こうぞといった"非木材"が紙の原料に使われていました。
これらを原料として手すきで作られた紙には、美しい自然の風合いが漂い、多くの画家たちの描く絵をより美しく生き生きとした作品に仕上げてきました。
ところが文明の発達とともに印刷物が増加し、紙の需要が増え始め、製法も手すきから機械抄きへと変化するにつれて"非木材"の原料は不足し始めたのでした。
この状況に対応できるものとして使われるようになったのが木材で、ある日フランスの学者が「スズメバチは木の皮をかじって唾と混ぜ合わせてまるで紙を何重にも貼りあわせたような巣を作っている」という報告をしてからは、木材パルプが非木材パルプにとって代わるものとなりました。
こうして、100年以上にわたって行われてきた木材の過剰な伐採によって環境破壊が進み、森林保護が叫ばれるようになった今日では、再び "非木材"から抽出されるパルプが紙の原料として注目されるようになってきました。
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